新梅田食道街には、創業が古く歴史ある飲み屋が多い。
こちらの「たこ梅北店」もその一つ。創業から１８０年もの歴史を持つ。
五代目となる現在のご主人のお店には、こちらも孫の代まで代々引き継がれた常連のお客さんが訪れているという。

お店に入ってすぐに目に飛び込んでくるのが、毎日出汁を継ぎ足し継ぎ足しで作っている「関東煮」
その自慢の鰹だしの中には、さえずり（ひげ鯨の舌）やころ（鯨の皮下脂肪）など、他では見られない「たこ梅」オリジナルの具材が並ぶ。
関東煮以外では「たこ甘露煮」が人気メニューの一つ。創業よりかわらぬ秘伝の出汁でたき上げた逸品だ。

関東煮の具材でもわかる通り、こちらのお店は鯨料理もあり、料理の品揃えを見ただけでも「たこ梅」が愛される理由に納得できるのだが、ご主人はさらにもう一つお店の魅力を教えてくれた。
それは、お客さんを家族のように想う接客だと。
「おいしく提供は当たり前、接客により味が変わる」というご主人は、常にお客さんの様子に目を配り、一人で来店のお客さんには声をかけてみたり、仕事の話をしているお客さんには話の腰を折らないようにタイミングを見計らったりしている。そしてスタッフ全員が常に笑顔で、なんとも楽しそうに仕事をしている。
 

「１００年後もお客さんに愛されるお店でありたい」そんな熱い想いで受け継がれてきた「たこ梅」は、知り合いに是非とも紹介したくなるような心地よいお店であった。